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リーンキャンバス

【事例解説】クラシルの成功を徹底分析!リーンキャンバスで読み解く料理動画サービスの勝ちパターン

2025年8月20日

【事例解説】クラシルの成功を徹底分析!リーンキャンバスで読み解く料理動画サービスの勝ちパターン 【事例解説】クラシルの成功を徹底分析!リーンキャンバスで読み解く料理動画サービスの勝ちパターン 【事例解説】クラシルの成功を徹底分析!リーンキャンバスで読み解く料理動画サービスの勝ちパターン

【事例解説】クラシルの成功を徹底分析!リーンキャンバスで読み解く料理動画サービスの勝ちパターン


Contents

第1章:成功事例をモデル化する重要性

あなたが起業を考えているとき、アイデアをいきなり実行に移すのは少々危険です。なぜなら、良いアイデアの多くは「既に似たものが存在する」か、「市場に受け入れられるか不明」だからです。

そこでおすすめなのが、既に成功しているビジネスモデルをフレームワークで分解して学ぶこと、そして小さく試すことです。

今回取り上げるのは、レシピ動画アプリで圧倒的な地位を築いた「クラシル(kurashiru)」。

ユーザー数は数千万人規模、動画総再生回数は数十億回を超え、料理動画の代名詞ともいえる存在になっています。

本記事では、あなたの起業アイデアに活かせるよう、クラシルを「リーンキャンバス」というフレームワークで分解し、成功の要因を深掘りしていきます。

最後には、クラシルの戦略を他分野に応用するヒントもお伝えします。

第2章:クラシルとは?

クラシルは、2016年にdely株式会社によってリリースされたレシピ動画サービスです。特徴は「1分でわかる料理動画」というコンセプト。

料理の手順を美しい映像で簡潔にまとめ、スマホで気軽に視聴できるようにしました。

主な特徴

  • 高画質・短尺(1分前後)のレシピ動画
  • 材料・手順が画面に分かりやすく表示
  • アプリとWebの両方で利用可能
  • 食材や調理器具の購入リンク付き

成長の軌跡

リリース直後からSNSを通じて爆発的に広まり、わずか数年で国内最大級のレシピ動画サービスに成長しました。

競合には「DELISH KITCHEN」や「Cookpad」がありましたが、クラシルは動画品質とUIの美しさで差別化に成功しました。

第3章:リーンキャンバスとは?

リーンキャンバスは、アッシュ・マウリャ氏が提唱した1枚の紙でビジネスモデルを整理するフレームワークです。9つの要素で構成され、スタートアップや新規事業のアイデアを検証・改善するのに適しています。

リーンキャンバスの9つの要素

  1. 問題(Problem)
    – 解決すべき課題は何か
  2. 顧客セグメント(Customer Segments)
    – 誰がその課題を抱えているのか
  3. 独自の価値提案(Unique Value Proposition)
    – そのサービスならではの魅力は何か
  4. 解決策(Solution)
    – 課題をどう解決するのか
  5. チャネル(Channels)
    – どうやって顧客に届けるか
  6. 収益の流れ(Revenue Streams)
    – どう収益化するか
  7. コスト構造(Cost Structure)
    – どんなコストが発生するか
  8. 主要指標(Key Metrics)
    – 成長を測るための指標は何か
  9. 圧倒的な優位性(Unfair Advantage)
    – 他社が簡単に真似できない強みは何か

リーンキャンバスの無料テンプレート(PDF)をダウンロードできます。

今回は、このリーンキャンバスを使ってクラシルのビジネスを分解し、成功の理由を明らかにしていきます。

第4章:クラシルのリーンキャンバス分析

では、いよいよ「クラシル」をリーンキャンバスに落とし込んでみましょう。

(1) 課題(Problem)

  • レシピ情報がネットや本に溢れていて、探しにくい
  • 写真や文章だけだと「手順」が分かりにくい
  • 毎日の料理で「献立を考えるのが大変」

💡 誰もが感じる「料理の悩み」を深掘りしたことで、多くの人に共感されやすい出発点になりました。

(2) 顧客セグメント(Customer Segments)

  • 料理初心者や忙しい社会人
  • 共働きで時短調理を求める家庭
  • 毎日の献立に悩む主婦・主夫

💡 「料理が必要だけど苦手」な層を狙うことで、利用者数を一気に増やすことに成功しました。

(3) 独自の価値提案(Unique Value Proposition)

  • 1分程度の短く分かりやすい料理動画
  • 美しい映像で「誰でも作れる」安心感を提供
  • 献立提案や食材検索など、実生活に直結する機能

💡 「動画でわかる」という強みが、他のレシピサイトとの差別化ポイントになりました。

(4) ソリューション(Solution)

  • 高品質なレシピ動画の制作
  • アプリ上で直感的に検索できるUI/UX
  • 食材や時間に合わせたフィルタリング機能

💡 解決方法を「動画+アプリ」で一貫して提供し、課題を直接的に解消しました。

(5) チャネル(Channels)

  • iOS/Androidアプリを主軸に展開
  • YouTubeやSNSで動画を拡散
  • 検索エンジン経由のWeb流入

💡 SNSとアプリを組み合わせることで、自然に口コミが広がりやすい仕組みを作りました。

(6) 収益の流れ(Revenue Streams)

  • 広告収益(アプリ内・動画広告)
  • 企業タイアップ(食品メーカーのレシピ開発)
  • 有料会員プラン(月額で機能拡張)

💡 複数の収益源を確保することで、安定したビジネス基盤を築きました。

(7) コスト構造(Cost Structure)

  • レシピ動画制作費(撮影・編集・料理開発)
  • アプリ開発・サーバー維持費
  • マーケティング費用

💡 高品質動画にはコストがかかりますが、その分「信頼感」と「ブランド力」を得られました。

(8) 主要指標(Key Metrics)

  • アプリのダウンロード数・MAU(月間アクティブユーザー数)
  • 1動画あたりの平均視聴完了率
  • 有料会員数や継続率

💡 「使われ続けているか」を測る指標を重視したことで、サービス改善につなげられました。

(9) 圧倒的な優位性(Unfair Advantage)

  • 圧倒的な動画制作のクオリティとノウハウ
  • 幅広いレシピラインナップ(数万本規模)
  • 先行者としてのポジションとブランド認知

💡 後発がすぐに追いつけない「動画の質と量」で、市場での優位性を確立しました。

🎯 ポイントまとめ

クラシルのリーンキャンバスを見てわかるのは、

  • 課題が明確
  • 解決策がシンプルかつ効果的
  • 収益化の道筋も早期に用意

という「起業の理想形」に近い構造を持っていることです。

第4章:見えてきた7つの成功要因

要因①:UX最優先—“1分で分かる”に全てを寄せた

🎯 なぜ効いた?

  • ユーザーが本当に求めているのは“学ぶこと”ではなく“今すぐ作れること”。そこで認知負荷(考える負担)を最小化する短尺・高画質・手順明快の体験に集中した。
  • 「短い=最後まで見られる=行動につながる」。完了率が上がると満足度も口コミも増える。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • コンテンツ1本の構成テンプレ
    例)フィットネスなら「1分でできる肩こり解消」/語学なら「30秒で言い換え3パターン」。
  • コンテンツ1本の構成テンプレ
    • 先に完成形(ゴール)を見せる
    • 材料/前提の確認(3点以内)
    • 手順は3ステップ以内
    • 失敗しやすいポイントは1つだけ
    • 行動ボタン(保存・買う・試す)

📈 何で測る?(KPI)

  • 完了率(最後まで視聴/スクロール)
  • 1本あたりの保存率/お気に入り率
  • 1セッションの行動数(作る・購入・シェア等)

やりがちな失敗

  • “全部盛り”で冗長化(情報は削る勇気)
  • 解像度より本数重視で品質低下(品質≧本数のバランス)

要因②:制作工程の“工場化”—高品質を量産する仕組み

🎯 なぜ効いた?

  • 成功するコンテンツは偶然ではなく再現できる。
  • レシピ選定→撮影→編集→QA→配信までを標準化し、誰が作ってもブレない品質を担保。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • 自分の領域で「撮影・編集・校正のチェックリスト」を作る。
    例)
    • 構成:導入10秒/本編40秒/まとめ10秒
    • 画角:俯瞰→寄り→仕上げの3カット必須
    • テロップ:名詞・数値は必ず表示、動詞は短く
    • QA:初見テスターに見せて“迷い秒数”を計測
  • バッチ処理:1日で台本10本→撮影10本→編集10本…のまとめ作業に。

📈 何で測る?(KPI)

  • 1本あたり制作時間(人時)
  • QAでの修正回数
  • 品質スコア(社内5段階×3指標:わかりやすさ/見た目/再現性)

やりがちな失敗

  • “匠がいなくなると回らない”属人化(誰でも回る手順書を先に作る)

要因③:拡散チャネルの“相性最適化”—SNS→アプリの導線設計

🎯 なぜ効いた?

  • 短尺・完成形が映える料理動画はSNSと相性抜群。
  • SNSで“発見”
    →アプリで“定着”の役割分担により、獲得単価(CAC)を圧縮しつつLTVを引き上げた。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • チャネルごとに目的を1つに絞る
    • TikTok/Instagram:発見(新規)
    • YouTube:深掘り(信頼)
    • 自社アプリ/サイト:定着(検索・保存・購入)
  • CTAの一貫性
    SNSでは「保存→アプリDL」へ。アプリでは「レコメンド→定着」。

📈 何で測る?(KPI)

  • チャネル別のCVR(視聴→DL/会員登録)
  • SNS→アプリの遷移率/翌日継続率(D1)
  • 獲得単価(CAC)とLTVの差

やりがちな失敗

  • すべてのチャネルで同じ動画をそのまま流用(縦横比・尺・導入は最適化)

要因④:広告主価値との“自然接続”—タイアップがコンテンツになる

🎯 なぜ効いた?

  • レシピ内で自然に商品が登場するため、ユーザー体験を壊さず広告効果が高い。
  • 広告主にとっては指名検索・棚取り(流通)・売場連動まで効く“実用コンテンツ広告”。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • 3つの一致を設計
    • 視聴者課題 × 2) コンテンツテーマ × 3) 商品の強み
  • 企画テンプレ
    • 「○分で作れる×カロリー控えめ(視聴者課題)」
    • 「1フライパンで完成(テーマ)」
    • 「油吸収が少ない調理器具(商品の強み)」

📈 何で測る?(KPI)

  • 視聴完了率・保存率(広告入りと通常の差)
  • 訴求パーツのクリック率/遷移率
  • 広告主の再発注率/平均単価

やりがちな失敗

  • 商品訴求を前面に出して視聴体験を損なう(“課題解決>商品説明”の順)

要因⑤:データ→パーソナライズ—“次に見る1本”の最適化

🎯 なぜ効いた?

  • 料理は嗜好・制約(時間・器具・アレルギー)が強く個人差が大きい。
  • 視聴履歴×保存×時間帯×所要時間のデータで次の1本を出し分け、定着を促進。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • まずはルールベースから
    • 朝:5〜10分で作れる/パン・卵系
    • 夜:ボリュームおかず/まとめ作り
    • 連続保存タグに近い動画を優先提示
  • レコメンド枠は3つ用意
    • 似ている(嗜好)
    • 今ぴったり(時間帯・所要時間)
    • 新着・旬(季節・食材)

📈 何で測る?(KPI)

  • レコメンド経由の視聴割合
  • 連続視聴本数/セッション時間
  • 翌日・7日継続率(D1/D7)

やりがちな失敗

  • “似たものだらけ”で飽きる(探索:活性比=8:2など混ぜる)

要因⑥:信頼の積み上げ—品質基準と監修体制

🎯 なぜ効いた?

  • レシピは失敗体験が致命傷。一度の失敗で離脱する。
  • 計量・手順・衛生の基準を明文化し、監修(プロの目)を通すことで信頼を蓄積。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • 再現テスト:社外の初心者3名に実際に作ってもらい、成功率80%未満は差し戻し。
  • 表記統一ルール:「中火=直径◯cmフライパンで◯分」など曖昧語を定量化。
  • レビュー導線:成功写真の投稿/失敗ポイントの収集→改稿に反映。

📈 何で測る?(KPI)

  • 再現テスト成功率
  • 低評価率(星2以下など)
  • 改稿後の成功率改善幅

やりがちな失敗

  • 成長に合わせた基準のアップデート不足(定期レビュー日を固定)

要因⑦:商品導線の自然連結—“見たら買える”が当たり前

🎯 なぜ効いた?

  • 視聴直後は行動意欲が最高潮。材料・器具の導線があれば購買まで繋がる。
  • 収益源の多角化(広告・アフィリエイト・自社EC)にもなる。

📌 どう真似る?(あなたの事業での置き換え)

  • レシピの部品化:材料は“カテゴリ+容量”で正規化→ECと紐づけ。
  • アプリ内の買い物リスト化→ECや店舗での“まとめ買い”に誘導。
  • 代替候補も必ず提示(在庫・価格に左右されにくくする)。

📈 何で測る?(KPI)

  • 買い物リスト作成率
  • リスト→購入の転換率
  • 1レシピあたりのコマース売上

やりがちな失敗

  • 過剰ポップアップで体験阻害(動画視聴完了後に静かに提示)

ミニ実験(今日からできる検証プラン)

1.30本の“超短尺テンプレ”制作

  • 台本120–150字/尺60秒以内/手順3ステップ
  • 目標:完了率60%以上、保存率10%以上

2.チャネル別の最適化A/Bテスト

  • TikTok:縦9:16・冒頭3秒で完成形、字幕大きめ
  • YouTube Shorts:工程寄り、テロップ多め
  • 目標:SNS→LP遷移率3%

3.レコメンド枠の3分割導入

  • 似てる/今ぴったり/旬 の3枠
  • 目標:レコメンド経由視聴35%

4.再現テスト→改稿ループ

  • 外部初心者3名×週5本、成功率80%未満は改稿
  • 目標:低評価率2%未満

5.買い物リスト機能の最小実装

  • 材料をワンタップで追加→CSV出力でもOK
  • 目標:視聴→リスト作成率15%

失敗パターン早見表(チェックリスト)

  • 1本に情報を詰め込みすぎていないか?(3ステップ以内)
  • 台本・撮影・編集の手順書があるか?
  • チャネルごとの目的が1つに絞れているか?
  • KPIは完了率→保存率→定着率の順で追えているか?
  • 監修・再現テストの仕組みが回っているか?
  • “見たら買える”導線は邪魔せず自然か?
  • 毎週、改善サイクル(仮説→制作→計測→改稿)を回しているか?

🎯 この章のまとめ

  • UX最優先で“次の一歩”に必要な最小情報だけを出す。
  • 制作を工場化して品質の再現性をつくる。
  • 発見はSNS、定着は自社の役割分担でLTVを育てる。
  • 広告主価値×ユーザー価値が自然に重なる企画を設計する。
  • データで次の1本をパーソナライズし継続率を上げる。
  • 信頼は設計できる(基準・監修・再現テスト)。
  • 見た直後に買える導線で収益を取りこぼさない。

この章をあなたの分野に置き換えるだけで、実装すべき具体アクションが見えてきます。

第6章:あなたの起業アイデアへの応用方法

要点(まず押さえること)

  1. 課題を先に定義する(ユーザーの“次の一歩”を減らす)
  2. 価値は最小で完結させる(短尺・シンプル・再現可能)
  3. 制作を標準化して量産する(品質の再現性)
  4. チャネルごとに役割を決める(発見→定着)
  5. 収益はユーザー価値と自然につながる形で試す(広告/サブスク/タイアップ等)
  6. データで次を出す(レコメンド) — 小さく検証して改善

リーンキャンバスの無料テンプレート(PDF)をダウンロードできます。

1) ステップ別 実行フレーム(リーンキャンバスの各要素をどう具体化するか)

1. 課題(Problem)

✍️ やること

ターゲットユーザー3人(ペルソナ)を書き出して、彼らの上位3つの不満を取る。

📝 出力例(テンプレ)

ペルソナA:忙しい単身社会人。課題:①調理時間がない ②材料が複雑 ③失敗が怖い

📌 目的

MVPはこの課題の「最重要1つ」を解決すること。

2. 顧客セグメント(Customer Segments)

✍️ やること

最低2つのセグメント(コア/副)を決める。

📝

コア=忙しい社会人、副=料理初心者(学生)

3. 独自の価値提案(UVP)

✍️ 書き方

短く、独自の価値が伝わるようにまとめる

📝

「1分で作れる◯◯を毎日届ける」

📌 ポイント

どちらがダウンロードにつながるか、UVPのABテストを繰り返す

4. ソリューション(Solution)

✍️ やること

MVPに入れる機能だけ選ぶ(3個以内)。

📝

短尺動画、材料リスト、保存機能。

📌 ポイント

まずは「動画1本を最後まで見て実行できるか」を検証。

5. チャネル(Channels)

✍️ やること

役割を分ける

📝

  • SNS(TikTok/Instagram):発見
  • YouTube:深掘り・検索トラフィック
  • アプリ/Web:保存・リピート

📌 ポイント

CTAは常に一つ(例:動画→保存→アプリDL)。

6. 収益の流れ(Revenue)

✍️ やること

最初はユーザー価値を壊さない広告/アフィリエイト/小額課金から試す。

📝 実験

①広告挿入位置(前半/中盤/最後) 
②有料版の付加価値(広告なし+限定コンテンツ)

📌 ポイント

それぞれでA/Bテストをする

7. コスト(Cost)

✍️ やること

主要コストを見積もる。

📝

  • 撮影
  • 編集
  • インフラ
  • 広告

📌 ポイント

小さく始めるための節約ポイントを列挙(スマホ撮影、外注編集→段階的に内製化)。

8. 主要指標(Key Metrics)

✍️ やること

最初に追う指標を3つ決める

📝

  • 完了率(動画最後まで見た割合)
  • 保存率(お気に入り率)
  • 翌日継続率(D1)

📌 ポイント

定着率と活性化率を、定性性と定量性の両方で測る。慣れてきたら以下の指標も追加してみる

  • DL数
  • 課金率

9. 圧倒的優位性(Unfair Advantage)

✍️ やること

真似されにくいものを早めに作る。何を築いていくのか決める。

📝

  • 独自のテンプレート
  • 専門家ネットワーク
  • オリジナルデータ(ユーザー行動データ)

📌 ポイント

スターアップ初期は無いことの方が多い。

2) そのまま使える実践テンプレ:60秒動画の台本

  • 0–3秒:成果(完成形)を見せる(フック)
  • 4–8秒:何ができるか一言で(例:「30分で作る週末ランチ」)
  • 9–20秒:材料(3つ以内)を表示(短く)
  • 21–50秒:手順(3ステップ)を実演(要注意ポイントを1つだけ強調)
  • 51–57秒:完成→一口食べるショット
  • 58–60秒:CTA(保存/レシピページへ)

📝 台本例(フィットネス)

  • 0–3秒:肩が軽くなる!1分ストレッチ
  • 4–8秒:「デスクワークの合間に」
  • 9–20秒:必要=椅子1脚、タオル
  • 21–50秒:動作A(20s)→動作B(20s)→リラックス(10s)
  • 58–60秒:保存して朝のルーティンに!

3) 制作・運用チェックリスト(30本作るための最小構成)

構成

  • 台本テンプレ(共通)を作る(必須)

撮影

  • スマホ+三脚or簡易スタンド
  • 外部マイク(音声が重要)

編集テンプレ

  • イントロ(3s)/タグ位置/テロップフォント
  • 大きさを統一

QA基準

  • 視聴者の迷いが3秒以下
  • 失敗ポイントは1つまで

アップロード

  • タイトル/ハッシュタグ/サムネ(サムネは3案でテスト)

4) チャネル別 最適化(短く)

TikTok/Instagram Reels

  • 縦長
  • 冒頭3秒で完成形
  • 字幕必須
  • CTAは「保存」や「やってみて」

YouTube Shorts

  • 少し詳細寄り
  • 説明欄にリンク

Web/アプリ

  • 材料の詳細
  • 買い物リスト
  • 関連動画を目立たせる

5) 収益化テスト(最初にやるべき3つ)

  1. ネイティブ広告(タイアップ)
    企画だけ作って効果測定(視聴完了率、クリック率、再発注意向)
  2. アフィリエイト/EC導線
    買い物リスト付きで遷移率を計測
  3. 有料会員の小さな特典
    広告オフ+週1本限定コンテンツ(試験的に1か月で500人を目標)

6) KPI設計(ダッシュボード概念)

基本(週次モニタ)

  • 動画完了率(目標:≥60%)
  • 保存率(目標:≥8–12%)
  • SNS→サイト遷移率(目標:≥3%)

成長指標(月次)

  • 新規DL(目標:最初の3ヶ月で1,000DL)
  • D1/D7継続率(D1 35%・D7 15%は目安)
  • 課金率(目標:0.5–2% 初期)
    ※ 目標は業種・市場で変わるので“仮の目安”として使い、早期に実データでリセットする。

7) 30/90/180日ロードマップ(例)

30日(検証フェーズ)

目標

  • プロダクト/価値仮説の検証

タスク

  • ペルソナ3名の仮説作成
  • 30本の短尺コンテンツ(テンプレ準拠)制作
  • SNSで配信→SNS別の遷移を計測
  • KPI:完了率・保存率・SNS→ランディング遷移

90日(改善フェーズ)

目標

  • 獲得チャネルの最適化と初収益化

タスク

  • 成績上位コンテンツを分析→派生シリーズ制作
  • 2つの収益実験(1つはタイアップ)
  • アプリ/サイトのミニ機能(保存→買い物リスト)
  • KPI:DL数、D1/D7、収益測定

180日(スケール準備)

目標

  • LTVの伸長と効率化の自動化

タスク

  • 制作の半内製化(編集テンプレ化・外注を固定化)
  • レコメンドの初期実装(ルールベース)
  • 有料版の正式リリース準備
  • KPI:CACとLTVの試算、月次黒字化シミュレーション

8) よくある失敗と対策(チェックリスト形式)

  • 情報を詰め込みすぎ → 対策:1動画 = 1目的
  • チャネルの最適化をしない → 対策:チャネル別テンプレを作る
  • 品質がバラつく → 対策:制作マニュアル+QAテスト
  • KPIを見ない → 対策:週次ダッシュボードを固定化

第7章:まとめ|クラシルから学べることと、あなたの次の一歩

この記事では、料理レシピ動画アプリ「クラシル」を例に、リーンキャンバスというビジネスモデル整理のフレームワークを使って分析しました。

クラシルの事例から見えてきたポイントは、次の3つに集約できます。

(1)顧客の課題を深く理解することが成功の出発点

クラシルは、単なるレシピ提供ではなく「情報が多すぎて探しにくい」「写真や文章では手順が分かりにくい」という課題を見つけ、その解決方法として「1分動画」という形を選びました。

ビジネスは、解くべき課題を正確に捉えたときに、強い方向性が生まれます。

(2)価値を伝える手段は「わかりやすさ」と「体験」で差をつける

高画質な映像、短い時間で理解できる編集、見やすいアプリUIなど、クラシルは「ユーザーが迷わず目的を達成できる」体験設計に力を注ぎました。

これはどんな業種でも応用できる原則です。

(3)収益の柱は複数持つことで安定する

クラシルは、広告、企業タイアップ、有料会員と複数の収益源を持つことで、リスク分散と安定収入を実現しました。

あなたのビジネスでも、1つの収入源に頼らず、複数の柱を設計する視点が重要です。

リーンキャンバスの良さは「アイデアが整理されること」

今回のクラシル分析からわかるように、リーンキャンバスは単に事業の現状を表すだけではなく、

  • 「何を解決するのか」
  • 「誰に届けるのか」
  • 「どうやって届けるのか」
  • 「どうやって収益を得るのか」

といった要素を、一枚のシートで見える化してくれます。

これは、アイデアがふわっとしている段階でも使えるので、起業の初期フェーズに特に役立ちます。

あなたの次の一歩

もしあなたが起業を考えているなら、まずはクラシルのように「顧客の課題」を丁寧に掘り下げることから始めましょう。

そして、リーンキャンバスを使って、自分のアイデアを整理してみてください。紙に書き出してもいいですし、オンラインのテンプレートツールを使っても構いません。

重要なのは、「頭の中だけで考えない」ということです。

見える化すると、強みと弱みが一目で分かり、改善の方向性も見えてきます。

次にやること

  • 自分のアイデアをリーンキャンバスに書き出す
  • 顧客課題をリサーチして確証を持つ
  • 小さく試す(MVPやテスト販売など)

このステップを踏むことで、あなたのアイデアはより現実的で成功しやすいものになります。

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